ニッケル合金の試験・検査 概要

ここまでは、ニッケル合金の特徴とその加工方法について述べてきました。せっかくの良い材料と高い施工技術を用いるのですから、これに見合った試験・検査を行なって高い品質のものを供給したいものです。ここではそのために必要な知識についてお伝えしていきます。

溶接部非破壊試験には何があるか

丁寧に施工したはずの溶接部に有害な欠陥があっては元も子もありません。その品質はどのように確認し担保すればよいのでしょうか。

溶接部表層部の非破壊試験

溶接部の品質確認でまず重要なのは表層部の欠陥の有無と性状です。

浸透探傷試験(PT)について考える

母材、溶接部を問わず表面に存在する欠陥を探傷できる浸透探傷試験(Penetrant testing)は、目視試験に次いで最もポピュラーな非破壊試験であると言えるでしょう。

PTの探傷面とは?

溶接部表層部の非破壊検査ではPTならびにMT、ET(EC)について挙げました。ここで探傷面について着目してみましょう。

PTの準備をする

作業を始める前に、まずは適用法規を含む顧客の仕様や社内の基準を確認しましょう。

PT作業べからず集

・・・きちんとした知識を持ち、資格を持つ者が定められた通りに行わないと正しい判定はできません。

PTの疑似指示、なぜ起こる?

・・・疑似指示の原因にはさまざまなものが考えられます。

目視試験(外観試験)について考える

・・・ここでは特に、ニッケル合金溶接部の目視試験についてご説明したいと思います。

ざんねんな溶接をみてみよう

・・・溶接部の外観の合否判定は大変難しいものです。ここでは、代表的な「ざんねんな溶接」をご紹介します。

溶接部内部の非破壊検査

・・・溶接部表層部の品質を確認するのが大事、とご説明しましたが、内部についても確認することが必要な場合があります。

放射線透過試験(RT)の準備をしよう

溶接部内部の欠陥の探傷にRTが最も有効であることは知っていても、その原理や詳細についてはよくわからない、という方は意外と多いのではないでしょうか。 

RTフィルムで対話する

適正なRTを行うには検査を依頼する側、すなわち溶接を行う側にもそれなりに知識と経験(スキル)が必要です。

溶接部非破壊検査の実施手順

検査(非破壊検査)するのであれば、合否の判定方法とそれに付帯する事項などについて、あらかじめ顧客などと取り決めておく必要があります。