円筒を溶接でつなぎ、長尺胴を作る

Before

大型の組み立て品ともなると、材料の最大長さや幅の制限で一枚ものでは製作できず、複数の円筒を繋ぐ必要がある場合があります。
本体胴に周継手を設ける場合、どのようなことに注意して設計したら良いのでしょうか。

コストダウン事例

After

ノズル穴や当て板、ジャケットなどと長手継手や周継手が干渉しないようにするには、材料手配の前に展開図を作り確認する必要があります。
まずは板の製造限界(幅・長さ)や有効な在庫寸法を特定し、取り付け物のオリエンテーション(方位)やエレベーション(高さ)を漏らさず正確に作画し、
規格などで規程された溶接線間距離が確保できるよう長手継手や周継手の位置を決定しましょう。
この際、補強板や当板、パイプサポートやノズルリブ、バッフルや銘板座など、非耐圧部材についても忘れないようにプロットしましょう。

POINT

大きな板材が確保できない場合は、繋いでから加工するでは、手配可能な小さな素材板をつないでなんとか所定の大きさのものに組み立てる、というお話をしました。板の製造限界は材料メーカーが使用する圧延機の寸法と処理能力で決まります。事前にカタログなどで確認するようにしましょう。在庫板を利用する際も同様の検討を行い、無駄のない材料取りができるよう心がけましょう。
また、継手間距離が条件を満たさずに材料取りをやり直さざるをえない場合もあります。あらかじめ規定をよく理解した上で設計を進めましょう。