溶接加工後のPT検査には水洗性の浸透液を使う

Before

特殊鋼やチタンなどの溶接部や折り曲げ部などにおける欠陥を検出する際に、スプレー式の溶剤除去性浸透液を使用すると、浸透液のふき取り洗浄に専用の洗浄液を別途購入する必要が出てくるためコストアップの要因となります。

コストダウン事例

After

特殊鋼やチタンなどの溶接部や折り曲げ部などにおける欠陥を検出する際に、水洗性浸透液を使用すれば、濡れた布でふき取るか弱い水流で洗い流すだけで除去することができるため専用液の購入は必要なく、作業性は向上すると同時にコストダウンにもなります。
また、溶接部リップルラインの凹凸部で起こりがちな、洗浄不足による疑似欠陥の頻出を避けることもできます。

POINT

 溶材除去性の浸透液は丁寧に洗浄を行わないと洗浄不足となって疑似欠陥の原因となりかねないと共に、逆にこれを意識しすぎて過洗浄となって欠陥指示を見逃してしまう恐れがあります。溶接部はリップルラインなど凹凸があるためこうしたことが起こりやすい、との観点でも水洗性が望ましいと言えます。
 一方、水洗の際の水圧が高すぎるとやはり過洗浄となる可能性がありますから、試験前に使用する水源の圧力を規定しておきましょう。

 また、スプレー式の浸透液を用いると、風の強い環境などでは余分に飛び散ってしまい洗浄処理に手間取る場合があります。このため刷毛塗りとすれば効率的に試験を行うことができます。

 なお、非破壊検査の詳細についてはこちら↓も参照してください

ニッケル合金の試験・検査