ニッケル合金を溶接する前に変形や歪みを防ぐ検討をする

Before

ハステロイなどのニッケル合金は高強度であり、経済性を考慮し薄肉とすることができます。しかし薄肉となる分、溶接による変形や歪みはより顕著となります。
一旦変形や歪みが起きると、強度が高い分その矯正は大変であることに加え、炭素鋼とは異なり、むやみに加熱して矯正しようとするとせっかくの耐食性を損なう時があります。

コストダウン事例

After

ニッケル合金の溶接における歪みを回避するために、耐食鋼・耐熱鋼加工.comを運用する都ステンレス工業株式会社では、下記のような取り組みを行っています。

・溶接施工要領書などで確立した溶接条件を遵守して施工
・開先合わせの段階で拘束の方法を工夫
・接液面での溶接は極力避ける
・過大な入熱量とならないことを心がける普段の教育の徹底

上記の対策を行ったとしても溶接による歪みが発生する場合もありますが、その場合は冷間もしくは極力入熱を避ける方法で矯正を行います。
また溶接を含めた矯正を行った場合には、ご要望により、非破壊検査を行うことも可能です。

参考:溶接変形と歪み取り対策(出典:日本財団図書館)
https://nippon.zaidan.info/seikabutsu/1999/00132/contents/016.htm

POINT

耐食鋼・耐熱鋼加工.comを運営する都ステンレス工業では、今回ご紹介したようなニッケル合金の溶接を得意としておりますが、それでも発生した溶接ひずみを矯正できる方法は限られています。従って、まずは変形を生じないような溶接施工法や拘束方法を確立しておくとともに、適切な構造・板厚を設計段階から検討して織り込んでおくことが大事です。
同社では、コスト面・信頼性面などあらゆる側面から最適なニッケル溶接品をご提供できますので、ぜひご相談ください。