ライニングよりも密着度の高いクラッド鋼を使う

Before

腐食性の強い液体を取り扱うタンクなどで、耐食対策として炭素鋼製母材にハステロイなどの耐食鋼をライニングする場合があります。
この際、母材とライニングとの間には隙間があるため、真空など負圧であったり槽の内外で温度差があったりすると、時間を経た後ライニング材が浮いて剥がれてしまい変形や割れによる漏洩を起こす恐れがあります。
ライニング補修には異材溶接の技術を要するため、多大な補修費用を要する場合があります。

コストダウン事例

After

ライニング部の浮きなどを抑えるためにはプラグ溶接が有効ですが、それだけでは不十分な場合、母材とライニング材を圧接したクラッド工法を設計時点で採用する方法があります。
少なくとも母材とライニングの間の隙間に起因する問題はほぼ回避することができます。
また、相互が一体化するため、例えば熱伝導や電気伝導の効率を確保したい場合にも有効です。

POINT

構造体の材料として有効なクラッド鋼ですが、その施工を間違えると却って品質を劣化させてしまうこともあり得ます。ニッケル合金のクラッド鋼に関しては下記もご参照ください。

ニッケル合金のクラッド鋼板について
クラッド鋼製缶のカンドコロ
クラッド鋼を上手に組み立てる