溶接部表層部の非破壊試験

 では、ここからは溶接部の非破壊試験の詳細についてご説明していきます。

まずは表層部を確認する

 溶接部の品質確認でまず重要なのは表層部の欠陥の有無と性状です。
 溶接部は多くの場合、内圧もしくは外圧による力に耐えなければなりませんが、特に表層部に有害な欠陥があると、ここを起点に割れなどが発生・伝搬し破壊に至ることに加え、使用環境によっては腐食の起点となることが懸念されます。このため、溶接直後に試験を実施し確認します。

表層部欠陥の確認方法

表層部NDI

各方法で一長一短がある

 これらの方法にはそれぞれ一長一短あります。
PT:概ね全ての材料に適用できるが、試験の各プロセスで十分な技量を要する。
MT:磁性材料(主として鉄鋼)のみにしか用いることができない。表面及び直下の浅い位置を探傷できる。
ET:直管など適用できる形状が限定され、あまり溶接部には適さない。標準試験片が必要。

 なお、溶接部に対しては通常PTを選択することが多いと言えます。

 

溶接部非破壊試験には何があるか

浸透探傷試験(PT)について考える