板巻き溶接パイプの選びかた

 では、どのようなものを購入することができるのでしょうか。

どの材質で製作できるか

 都ステンレス工業では、原則として耐食鋼・耐熱鋼 相当品一覧表に掲げた材質についてご対応することとしていますが、材質と寸法の組み合わせによってはお引き受けできない場合もありますので都度お問合せをお願いいたします。

板巻き溶接パイプの肉厚で知っておきたいこと

 一般的な配管用パイプの肉厚はJISやANSI/ASMEの配管規格に準拠するのがほとんどであり、いわゆるスケジュール番号(Sch)体系によることとなります。
 一方、板巻き溶接パイプの場合は平板から加工するため、出来上がった管の肉厚もこれと同じということになります。板厚は、日本メーカーでは1mm単位、米国メーカーでは1/64インチ(約0.4mm)単位とするのが一般的であり、Sch体系とは一致しません。

 具体的にJIS25Aのパイプの肉厚を見てみましょう。
 ①25A✖️Sch10Sの管厚は2.8mm←米国材の7/64inch
 ②25A✖️Sch20Sの管厚は3.0mm←日本材の3mm
 ③25A✖️Sch40Sの管厚は3.4mm←通常は板厚設定なし

 ②はもちろん問題ないですが、①は米国材をわざわざ探す必要があり、③に至っては特注での板製作が必要となる恐れがあります。このため、オリジナルの設計が配管規格に準拠する場合、近似の板厚に設計変更する必要が出てきます。

製作可能な寸法は

 また、板巻きパイプに用いる材料の塑性加工性には限界があり、所望の外径に対して適正な板巻き成形とできる肉厚には上限があります。このためこれも考慮の上肉厚を定め、強度計算や仕様の設定などを行う必要があります。

 ご参考までに都ステンレス工業で製作可能な板巻き溶接パイプの寸法(外径✖️肉厚)は下表によります。配管規格の寸法も併記しておりますので設計・調達の際のご参考になさってください。

板巻溶接管 製作可能範囲

 

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