ハステロイの賢い選び方

どのハステロイにしたらいいの?

 お伝えしてきたように「ハステロイ」にはいくつもの種類があり用途も大きく異なります。また、そもそも(ハステロイに限らず)合金にはそれぞれ得意不得意があります。このため、その採用の決定に先立ち、実際の使用環境や設備の耐用年数、そして費やすことができる経営資源(設備投資額、保全費、運転管理人員など)についても慎重に検討しなければなりません。

選定に先立って知っておきたいこと

 そこで、効率的な投資効果を得るためにも、下記のような要件を押さえておきたいものです。
①内容物はなにか。濃度や内容物が複数の場合の混合比は。
②液体か気体か固体もしくは粉体か。攪拌や振動などはあるか。
③使用温度は何度か。昇降温のサイクルはどうか。バッチ運転か連続運転か。
④運転時に添加もしくは混入されるものはあるか。
⑤使用する設備の耐用年数はどの程度まで必要か。
⑥圧力容器など法規制がある場合、候補材は使用可能となっているか。

ためしてガッテン!

 しかし、これらを経験則のみで見極めようとしても限界があるでしょう。特に新設のプラントでは「試してみなければわからない」という場合がほとんどなのではないかと思います。
 このため、材料メーカーにお願いし、腐食試験片(テストピース)を提供してもらい、これを同等もしくは類似の既設設備の内部に装着し一定の期間中暴露してパフォーマンスを確認するのがお勧めです。材料メーカーによっては腐食速度の計算や組織の観察しレポートするサービスを行なっているところもあります。この際、できれば他社ブランドの類似合金や同様用途のステンレス鋼なども隣接して装着し後で比較するのが望ましいのですが、交渉により材料メーカーが比較材も含めて提供してくれる場合もあります。

ご判断のお供に・・・

 一方、こうした期間が十分とれない事情がある場合は、下記を参考にし検討されることをお勧めします。
耐食鋼・耐熱鋼 相当品一覧表
耐食鋼・耐熱鋼 各合金の特徴

 どのハステロイも、一般のステンレス鋼よりも相当に高い買い物となります。カタログ・資料などのみで即決することなく、じっくりと検討いただきたいと思います。
 なお、都ステンレス工業にご相談いただければ適切なメーカーに直接お取り次ぎの上試験材を手配することに加え、もっとも経済的な加工方法も考慮の上お見積りすることが可能ですのでお気軽にご相談ください。

 

ハステロイにもいろいろある〜Gシリーズ