比強度を算出する

 圧力容器の構成材料に強度の高いものを用いれば、薄肉とし製品重量を軽くすることができます。一方、材料の比重が小さくなるほど軽くなることもまた事実ですから、加工性や耐食性・耐熱性に加え、市場での入手性も全く同レベルなのであれば「より軽くて強い材料」を採用する方がよい、ということになります。では、そのためにはどのように何を比較すればよいのでしょうか。

比強度という指標

 このためには、「比強度」という指標を用いるのが一般的です。比強度は、
強度(=許容引張応力)➗比重
で求められ、算式を見てもお分かりのように、強度が高いほど、また比重が小さいほど大きな値となり、この大小関係を持って「軽くて強い」かどうかの比較ができることになります。

耐食鋼・耐熱鋼の比強度

 そこで、下記の数値表を用いて各種合金の比強度を算出してみましょう。ここで比重の値は当サイトで開示している比重表、許容引張応力の値は同じく許容引張応力表によるものとします。

↓比強度表↓

 

 さらにこれをグラフで示してみます。

↓比強度チャート↓

ここまでで得られた内容についてわかることを次稿で述べたいと思います。

 

桐岡 明

執筆者:桐岡 明

溶接工学技術コンサルタント

1981年慶應義塾大学機械工学科(溶接工学)卒。同年三菱金属(現三菱マテリアル)に入社。 以降一貫してニッケル合金製圧力容器・配管の製造技術管理に携わる。2001年より8年間、インドネシア製造子会社駐在(内3年間は代表取締役社長)の後、 営業子会社海外事業部門長(タイ子会社社長、シンガポール支店長を非常勤で兼務)。 インドネシア営業子会社設立、タイBOI取得、ISO2015年度版取得対応などを経験。 溶接技術者特別級、高圧ガス製造保安責任者の取得歴あり。現在は、溶接管理技術、新技術社会実装、安全衛生管理体制確立などを支援中。

耐食鋼・耐熱鋼の許容引張応力

許容引張応力、比強度をみてみよう