耐食鋼・耐熱鋼の許容引張応力

 それでは、JISならびにASMEで規定されている許容引張応力を見てみましょう。

許容引張応力を定める前提条件

 前稿では、許容引張応力は材料ごとに設計温度に応じて変化する、とご説明しました。しかし、規格では、さらに下記の条件に区分した異なる数値が並記されています。

 ①材料の形状区分(板、丸棒、鍛造品、継目無管、溶接管、鋳造品など)
 ②最終仕上げ区分(圧延のまま、熱処理の条件など)
 ③最終製品の寸法区分(板厚、直径など)
 ④使用部材の仕様(ある程度の変形が許容されるかどうか、など)

 これは、たとえ同じ材質であっても製造条件が異なれば異なった機械的性質となったり、用途に応じ設計の考え方を変えたりする必要があることを示唆しています。

耐食鋼・耐熱鋼の許容引張応力

 当サイトでは、ハステロイをはじめとするニッケル合金の中で、このサイトをご覧の方が比較的参照することが多いと思われるものを選び出して許容引張応力を調査し比較することといたしました。下記にそれらの材質名と摘要について示します。

各材質の許容引張応力表

前項の条件による許容引張応力表を下記に示します。

許容引張応力表

また、これらをプロットしたグラフを下記に示します。

許容引張応力チャート

 

桐岡 明

執筆者:桐岡 明

溶接工学技術コンサルタント

1981年慶應義塾大学機械工学科(溶接工学)卒。同年三菱金属(現三菱マテリアル)に入社。 以降一貫してニッケル合金製圧力容器・配管の製造技術管理に携わる。2001年より8年間、インドネシア製造子会社駐在(内3年間は代表取締役社長)の後、 営業子会社海外事業部門長(タイ子会社社長、シンガポール支店長を非常勤で兼務)。 インドネシア営業子会社設立、タイBOI取得、ISO2015年度版取得対応などを経験。 溶接技術者特別級、高圧ガス製造保安責任者の取得歴あり。現在は、溶接管理技術、新技術社会実装、安全衛生管理体制確立などを支援中。

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