ハステロイにもいろいろある〜Bシリーズ

「ハステロイ」をかいつまんで言うと

「ハステロイ」ときいて「ニッケル合金の一種」と知ってはいても、さまざまな種類があってそれぞれ特徴も用途も異なることを完璧に理解している方はさほど多くないのではないでしょうか。

ハステロイとは」で述べたように、ハステロイの最大の特徴は耐還元性雰囲気(塩酸、硫酸など)ですが、これをもたらすのがモリブデンとタングステンです。一般にはこの含有量が多ければ多いほど耐食性は増しますが、タングステンは入れ過ぎると加工性が極端に悪くなるので微量とします。

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「ハステロイ本舗」の継承者、Bシリーズ

  この「元祖」ハステロイの伝統を受け継いできたのがハステロイBシリーズです。なぜ「シリーズ」かというと、改良を重ね新たに生み出された複数の合金があるからです。

ハステロイBシリーズ

HB

<当サイト「耐食鋼・耐熱鋼 相当品一覧表」より抜粋>

Bシリーズの進化 

 ハステロイBは、特殊な製錬技術により低炭素・低シリコンとすることで溶接後の耐粒界腐食性を向上させた2代目のB−2へ進化を遂げました。そして、さらにB−2の泣きどころである鋭敏化についても改良したのが3代目のB−3です。上表の通り、Haynes社は初代Bや先代のB-2の製造を既にやめ、B−3しか製造していません。つまり、このハステロイ生みの親は、JISで唯一規定がある2代目のB−2すら製造していないので要注意なのです。

ハステロイファミリーにおけるBシリーズの位置付け

  ハステロイBシリーズはハステロイファミリーの中でもっとも高強度であり、還元性雰囲気における非常に優れた耐孔食性と対隙間腐食性を持つ一方、クロムを含まないため耐酸化性が劣り、ひとたび酸化性因子(硝酸などの酸化性酸、溶存酸素、鉄イオン、銅イオンなど)が混入すると急速に腐食が進みます。
 このため、酸化性雰囲気もしくは酸化性因子の混入が想定される場合はハステロイCシリーズを選択することが推奨されます。

 

桐岡 明

執筆者:桐岡 明

溶接工学技術コンサルタント

1981年慶應義塾大学機械工学科(溶接工学)卒。同年三菱金属(現三菱マテリアル)に入社。 以降一貫してニッケル合金製圧力容器・配管の製造技術管理に携わる。2001年より8年間、インドネシア製造子会社駐在(内3年間は代表取締役社長)の後、 営業子会社海外事業部門長(タイ子会社社長、シンガポール支店長を非常勤で兼務)。 インドネシア営業子会社設立、タイBOI取得、ISO2015年度版取得対応などを経験。 溶接技術者特別級、高圧ガス製造保安責任者の取得歴あり。現在は、溶接管理技術、新技術社会実装、安全衛生管理体制確立などを支援中。

ハステロイとは

ハステロイにもいろいろある〜Cシリーズ