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腐食を考慮した合金選びのカンドコロ
適切な合金材料を選定するにあたっては、ここまでご説明したような腐食のメカニズムについて大まかにご理解の上各材料メーカーが提供している腐食データなどを参照され、候補材を絞り込むことをお勧めいたします。
一方、本サイトでは、材料メーカーから提供されているこうした情報のいくつかを下記に要約しておりますのでご参照ください。
なお、その中でもいくつか特徴的なポイントを下記に挙げてみます。
1.酸化性で特に高温となる雰囲気では、Cr量が多いものを選ぶ。
2.非酸化性(還元性)で孔食や隙間腐食が問題となる雰囲気では、Mo量が多いものを選ぶ。
3.前項の雰囲気で、酸化性因子(酸化性酸、溶存酸素、鉄・銅イオンなど)の混入が考えられる場合は、Crも適当量含んだものを選ぶ。
4.溶接部などにおける粒界腐食が問題となる雰囲気では、低炭素のもの(ローカーボン材)もしくは安定化を狙った元素(Nb+Ta、Tiなど)を添加したものを選ぶ。
5.アルカリ雰囲気では、純ニッケルやモネルなどをまず選定候補に挙げる。
6.硫黄分を含む高温雰囲気では、ニッケル合金のサルファーアタックに留意する。問題がある場合は、コバルトを主成分とする合金などの採用も考慮する。
7.Alが耐酸化剤として添加されたものを高温の窒素雰囲気で使用する場合は、使用可能な温度範囲を予め材料メーカーに確認しておく。
8.応力腐食割れは「材料ー環境ー残留応力」の組み合わせで起こるので、使用環境における実例を材料メーカーによく確認することに加え、溶接設計を含めた加工条件についてもよく検討する。
9.母材としては良好な耐食性を示しても、溶接金属や熱影響部で顕著な選択腐食を起こす場合があるので留意する。条件によっては母材と異なる溶接材料を用いることも検討する。
また、下記についてもご参照ください。
都ステンレス工業には、耐食鋼・耐熱鋼の専門メーカーとの長年にわたる信頼関係があり、これを活用した材料選定に関わるご支援が可能です。ぜひお気軽にお問合せください。
ただし、当社はあくまでも支援の形でのご協力とさせていただき、最終的な材料の選定はお客様の責任にてお願いいたします。