第 十一話 モヤモヤ・ルール

 最近のスポーツネタで気になったものに女子バレーボールの五輪出場権があります。ある一戦にその出場権がかかっているとのことでしたがこれに惜敗し、見ているこちらもがっくりと肩を落としてしまいました。ところが翌日の試合がないタイミングで「再計算の結果出場決定となった」との報がありました。これを喜び合う選手たちの映像も流れましたが、なぜかその表情もややビミョーなように見えたのは気のせいだったでしょうか。

 こうした大会で終盤に差し掛かると激しさを増すのが、次のステージへの進出条件の「票読み」合戦です。そして、その条件が相手の試合結果にもよるとなると、試合途中でも『このままだと』テロップが流れたりし、なんとも落ち着かなくなってきます。ところが、今回は試合中も「勝てば進出決定」とのアナウンスのみ。敗戦後の残念感がまだ漂っていた空気の中では、せっかくの朗報もなんだかモヤモヤした気分で聞くこととなりました。

 この原因は、協会ですら外部に委託するほどの複雑なランキングポイントの計算方法にあったようです。確かに、実力伯仲のリーグ戦では勝敗数や得失点差のみですんなり勝ち残りが決まるとは限りません。他競技でも、特殊な勝点や対戦成績、はてはアウェイでの得点や反則数まで加味する場合があります。ですが頭にすっと入らぬ複雑な条件がつくと、プレーそのものを純粋に楽しめない気もします。(それが楽しみな人がいるかも、ですが)
 精緻でフェアなルールもさることながら、シンプルでわかりやすいルール作りはより大事であると思うのです。

 私たちの世界でも「法令」や「規格」という名前のルールが存在します。しかし、中には一見「なんでこんな規定があるの」と首を傾げてしまうものもないわけではありません。またきちんと読み下そうにも、否定文の重畳や但し書きの連続挿入、はては引用の繰り返しや夥しい附属書や別表などが折り重なって「結論、早く言えよ」と口を尖らせてしまう時もあります。副読本や規格の解説部を読むとすっきりする時もありますが、やはり本文を一読するだけで「すっと頭に入る」ものであって欲しいものだと思います。

ルール守って汗かいて
運に嫌われなみだする
勝負ごとなら潔く
相手称えて前を向く

2024年6月26日

さまよえる錬金術師