接液部のみハステロイなどのニッケル合金でライニングしコストダウンする

Before

タンク内部に腐食性の高い液体を保存する場合、耐食性に優れたハステロイなどのニッケル合金やチタンを用いて製作する場合があります。
ハステロイなどのニッケル合金は耐食性が非常に優れた材質ですが、材料価格が高いためトータルコストが高くなってしまいます。
また、チタンは比強度が弱く厚肉となってやはり高額となってしまいます。

コストダウン事例

After

上図のように、タンクを炭素鋼やステンレス鋼で製作し、この内面の接液部のみをハステロイなどのニッケル合金を溶接でライニングすることで、高価なニッケル合金の使用量を削減しコストダウンすることができます。
なお、チタンはステンレス鋼や炭素鋼と直接溶接することはできないため、ボルト止めを行うなど設計を工夫することによりライニングは可能です。

POINT

 ライニング加工はコストダウンには大変有効な工法ですが、その特徴をよく理解の上慎重に設計する必要があります。

 ライニング材に用いるハステロイを始めとするニッケル合金の選定については下記をご参照ください。
耐食鋼・耐熱鋼 相当品一覧表
耐食鋼・耐熱鋼 の選定(各合金の特徴)

 また、ライニング溶接を行うときは下記もご参照ください。
ニッケル及びニッケル合金に用いる溶接材料
特殊鋼と一般鋼の異材溶接部は、溶接方法を吟味する
母材・ライニング板間の「閉じた空間」をなくす