耐食鋼・耐熱鋼を設計する上で押さえておくべきポイント

前述のように、耐食鋼・耐熱鋼を使った製品においては、その材料の特性をよく理解しておくことが必要になりますが、これらを用いた製品を設計するにあたっては、大きく下記の3点を考慮することが望まれます。

① 必要な箇所だけに使用する

たとえばタンクであれば、通常はオールステンレスなど、一つの材質だけで設計・製作するケースが多くあります。しかし、特殊鋼の場合は全てに使用するとコストが非常に高くなってしまうので、例えば接液部のみ必要な材質を採用し、その他は安価な別の素材を使用する、といった方法をとることがあります。

② 材料をムダにしない

これまでも申し上げてきた通り、耐食鋼や耐熱鋼などの特殊鋼は、普通鋼に比較すると非常に高いものになります。従って、ステンレスやアルミなどで用いるような、ソリッドから削り出す方法は避けなければなりません。状況によっては型鍛造をしてから必要最低限の切削を行う、という方法も採用します。さらに、加工現場においても、効率的なネスティングを行うことによって、歩留りを可能な限り上げる、といった対策も行なわれています。

③ 標準品を念頭に置きながらも、それに拘らず設計する

もちろん特殊鋼でもアングルやチャンネルなどの規格品・標準品が流通しています。
しかし、流通はしていても納期がかかり過ぎたり、あるいはロットサイズが大きすぎて購入できないこともあります。さらに、例えばパイプ材などの場合は、標準品を買ってくるよりも、板曲げを行って溶接した方が、コストも納期も有利なケースもあります。
従って、あまりこだわりすぎず設計を行うことが必要です。

これらが特殊鋼を用いた機器設計のポイントですが、やはり情報量や取扱量が少ない特殊鋼の設計・製作は、技術や経験を持った専門家に相談することが一番です。もちろん、特に溶接における入熱管理という技術的側面も重要ですが、設計上の細かいポイントや、流通性が高い材料や標準品の提案も可能です。

それでは、これから特殊鋼における具体的な設計ポイントを見ていきましょう。